「とざいとーざい」口上の前に呼ばれる意味は?(相撲・歌舞伎)

「とざいとーざい」口上の前に呼ばれる意味は?(相撲・歌舞伎)

 

テレビで大相撲の中継などを観ていると、「とざいとーざい」と呼びかけている場面を見かけると思います。

 

また、歌舞伎における口上の前にもこう呼びかけている事に気づいたのではないでしょうか?

 

 

これらは「東西声(とうざいごえ)」と呼ばれるものなのですが、一体どんな意味があるのでしょうか?

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相撲や歌舞伎で呼びかける、「とざいとーざい」口上の意味は?

 

大相撲の結びの一番の前に呼出が、拍子木を打ってから「とざい、とーざい」と言います。

 

 

次いで、立行司から口上が述べられます。

 

 

「番数も取り進みましたるところ」

 

「かたや、白鵬、白鵬、こなた、鶴竜、鶴竜」

 

「この相撲一番にて本日の打ち止め」

 

 

…などといったように。

 

 

これは、「東から西までおしずまりなさい」という意味で言いはじめた言葉です。

 

「東西、東西」の語は興行等で口上を述べる時や、ざわめきを鎮める時などにいう語です。

 

 

これを、東西声(とうざいごえ)といいます。

 

 

歌舞伎や人形浄瑠璃の舞台においても、序びらきや口上の前等に「東西、東西」と、裏から声がかけられるのも同じです。

 

 

声をかけること自体を東西声と呼びますが、声そのものも東西声と呼ばれています。

 

これが、開始の合図になっています。

 

 

昔の中国では、「天子は南に面して座る」という考えがありました。

 

 

芸能や興行などは、いつの時代にも時の権力者の庇護を受けながら、同時に権力者に奉仕するものでもあるとのこと。

 

南を向いている権力者に対応するように、北に向いて行うのが本格とされました。

 

 

北に向いた舞台から客席に向かって右側が東の方角になり、左手が西の方角に当たるのです。

 

 

そのことから、お客さんに向かって「東西東西(とざいとーざい)」と。

 

つまり、「東から西までいらっしゃるお客さんに、これからはじまりますから静かにして下さい」と呼びかけているわけです。

 

 

口上には「隅から隅まで」という言葉がつきものですが、これとほぼ同じ意義ととらえることもできます。

 

 

このような呼びかけは、すでに江戸時代中期には用いられていたようです。

 

 

例えば、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵大序」幕開の東西声の場合は…

 

 

・下手「とざい、とーざい。とーざい、とざい、とーざい。とーざい、とーざい」

 

・中央「とざい、とーざい。とーざい、とざい、とーざい」

 

・上手「とざい、とーざい。とーざい」

 

 

このように…

 

下手から中央、上手へと「とざい」で始まり「とーざい」で終わる、七五三掛けになっています。

 

 

また、他の口上においても…

 

短めの発声「とざい」と、長めの発声「とーざい」。

 

これらを何度か繰り返して行う形となっています。

 

 

型にはいくつかの種類がありますが、必ず最後には「とーざい」で締めくくられます。

 

語尾の音が下がるのを忌み、長い発声で終わるようにしています。

 

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