地震地域係数とは?直下率とは?今後の見直しは

地震地域係数とは?直下率とは?今後の見直しは

熊本県の地震において、マンションの約20棟で新耐震法を満たしているのにひび割れ等の被害が出た。

 

耐震性の地域格差が大きく関わっているのではないかと感じられる。

 

 

耐震壁の亀裂や破断・リビングの壁や間仕切り壁の破壊等耐力壁の破壊は建物に大きくダメージを与え再生出来かねる状況を生み出しました。

 

11月上旬になっても住民全員が帰宅は勿論、お気の毒ですがマンションの出入りも出来ない状況にある建物もあります。

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地震地域係数とは?あなたの住むマンションが危ない!

 

マンションの建物の丈夫さ・耐久力の大きさと地震地域係数は切っても切れない重大な関係があります。

 

例えば熊本県では地震地域係数は0.9(地震多発地帯1=標準地域係数は1.0)

 

北海道札幌市では地震地域係数は0.9(十勝・釧路地域=地域係数は1.0・稚内・旭川=0.8)

 

九州の福岡市・長崎市・鹿児島市では地震地域係数は0.8となっています。

 

ここで地震地域係数の差を説明しますと…

 

 

1.0と0.9との0.1の違いはマンション建築時係数が0.9(1割低い)の場合は、建物の設計時点から既に鉄筋の太さ・コンクリート厚さ・柱や壁や梁等主要部が全て1割低減されており、完成時全体が1割の厚さ・太さが違い低減されているものです。

 

 

このことから地震発生時における耐震性は1割以上低下するのが当然です。

 

この地震地域係数は地震の発生実績から地域設定を行い、建物の地震耐力度を計算し建物の地震強度を決めています。

 

 

ここで地震地域係数の差を実験証明された結果からみると(1棟・1フロア12戸・7階建を設定)

 

地震地域係数を1.0と0.9に別々に設計された建物とを人工地震実験用試験台でその耐震実験を行った結果は

 

 

1.0の設計建物は1階部分は破壊状態・2階部分は両サイドの壁のみ破損、他の階は損傷なし

 

0.9の設計建物は1階部分・2階部分共に破壊状態・3階〜7階両のサイド壁全破損

 

 

この様に地震地域係数を1.0に上げる事により建物全体の損傷を最低限に抑える事が出来るのです。

 

 

しかし、この地震地域係数を国土交通省では30年以上も見直していない。

 

この間に大きな地震は多数起きている。

 

 

では大きな地震の発生地とマグニチュードとその地区の地震地域係数を表してみますと

 

・鳥取西部地方(2000年):M7.3

 

地震地域係数:0.9

 

 

・芸予地方(2001年)M6.7

 

地震地域係数:0.9

 

 

・新潟中部地方(2004年)M6.8

 

地震地域係数:0.9

 

 

・福岡西方(2005年)M7.0

 

地震地域係数:0.8

 

 

・能登半島地方(2007年)M6.9

 

地震地域係数:0.9

 

・熊本地方(2016年)M7.3

 

地震地域係数:0.9

 

これらからのデータから推察すると、地震地域係数をそのまま運用するのには限界がある。

 

 

国土交通省では熊本地震発生の後も地震地域係数が建物の被害に与えた影響は確認されていないと言明したが、今後のあり方として中長期的には検討課題であるとも追言している。

 

 

大きな地震の発生被害地域では、莫大な経費と労力を掛けなければ修復は大変である。

 

 

早期に耐震性を見直し補強して行く方向で、いつ、どこで、起こるか分からない大地震に対処しなければならないと同時に…

 

地震地域係数の低い700程ある市町村を大災害から守らなければならないのではないだろうか。

 

 

直下率とは?あなたの住む木造の家が危ない!

 

熊本県や島根県の地震で感じる事は、どこの地域でも地震が発生し住宅被害が起きるという事です。

 

 

新耐震法の基準に基づき建築した住宅(特に木造住宅)でも、熊本県では319棟の内19棟が建替えなければならないほどの大きな被害を受け現状があります。

 

その中には築5年程度しか経っていない住宅も多くあります。

 

 

状況からすると2階建でその2階部分の重みで1階が潰れるという現象です。

 

 

この原因の共通するところは、1階のリビングが広く設計されている事です。

 

ここが新耐震法の盲点でもあり、それを直下率で表します。

 

 

1階と2階の壁がどの程度繋がっているかいるかを現すのが直下率です。

 

 

既存の住宅で大きく破損・倒壊した住宅では、1階部分の間仕切りを改修撤去し、リビングを広くしたり…

 

2部屋の間仕切りや柱を撤去した事により1階の壁量が減少し、2階の重みや地震の揺れに耐えかねて捻じれながら倒壊するという結果になったものです。

 

 

平成22年の最新の基準では筋交いや補強金物等で強度を補足する様対策がされましたが、直下率については見直しは行われませんでした。

 

この事から推測すると、家を建てる時に壁の少ない高面積性で1階も広く大きい窓で開放感があり、2階もせり出し見栄えやデザイン性の良い住宅設計を希望する人が多くなり、耐震性が低くなる方向へ移行したのも一因です。

 

 

建築設計士や建設会社が耐震性が低下する事も承知しながらも、合法の範囲でお客様の要望を優先して聞かざるを得ない現状にあります。

 

この様な現状ですが国では当分の間耐震性の見直しは行わない方針であり、年間50万戸も建設される住宅の全てが安全に建築されるとの保証はないのです。

 

 

新築されるされる方や改築される予定のある方は、『直下率』も重点に置いて『あなたの家が危ない』と言われないように…

 

少々コストが掛っても安全を優先し、安心して生活の出来る地震に強い住宅を建築・改築して下さい。

 

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